楽譜が読めない話。(その1:「ド」がずれる話)
いよいよ吹奏楽歴も10年を超えてしまった先日、とある問題に直面した。
渡された楽譜が読めないのである。
楽譜が読めないのである。
しかもDdurのスケールができないのである。
スケールができないのである。これは普段基礎練サボってるのが原因。
元々癖の強い楽譜の読み方をしていることは自認していたが、その影響がもろに出てしまったのである。
これは誰も得しない、癖の強い譜面群との格闘の末導き出された、あるみの「癖の強い」譜面認識の解説である。
今回、解説では上記のメロディを例として用いる。某音楽教室の例のメロディである。
楽器の想定はユーフォニアムである。なのでヘ音、inC表記である。
吹奏楽ではB♭管の楽器が多く使用されることから、曲もB♭dur のものが多いため、B♭dur のメロディにしてある。
また、今後 in C 表記の譜面と、in B♭表記の譜面が混在するため、譜面の左上にどちらであるか記載しておくこととする。
これを吹くときのあるみの脳内認識はこうである。
楽譜に書き起こすと気持ち悪すぎる
あろうことか、シ♭をドと読んでいるのである。以降省略
ピアノの鍵盤上に書くと上記の通りである。
特に移調楽器との接触機会の少ないギターやピアノの人には理解されないと思うが、この読み方をする人はあるみの他にも、一定数吹奏楽界隈(ユーフォニアムの他、ホルンやトロンボーンなど)にいる。
この読み方をする人の共通点は知る限り1つ。
トランペット経験者である。
先ほどの譜面をトランペット用に直すとこうなる。
文句なく「ドレミファソ ラファミ レ ド」である。というのも一般的にトランペットの譜面はinB♭表記だからである。
また、トランペット・ユーフォニアム・チューバ(B♭管)は開放の状態(ピストン・ロータリーを一切押さない状態=管の長さが一番短い状態)で出る音がB♭である。
厳密にいえばFとかDとかA♭とか倍音で出るけど、ややこしくなるので省略
また吹奏楽では、全体でチューニングする場合B♭でする。
と、様々な場面でB♭が基準となっている以上、B♭が「ド」の環境に一度染まると、B♭が「ド」でないと違和感を覚えるのである。
しかも、ヘ音の楽譜はト音の楽譜ほど一般的な教育過程で現れないため、「ド」をずらすことによる違和感に慣れやすいのである。
が、この読み方は当然まともな読み方でないので弊害をもたらすのだが、長くなったので別に記すこととする。
余談:生粋のユーフォニアム奏者たち
トランペット経験者で他の金管楽器に楽器替えした人に見られる現象として、今回の話を書いたわけだが、一度も楽器替えせず、ずっとユーフォニアム/トロンボーンを吹いている人たちはどう譜面をよんでいるかというと
なんてことはない。譜面のまんまである。教則本や運指表など、Cを「ド」しているので、当然である。
また、トランペット経験者でも、ピアノの影響を強く受けている人だと、譜面通りに読んでいることもある。
これもトラブルの原因となるのだが…。
「信じる者は救われる」の対偶は「救われぬ者は信じぬ」
昔々あるところに、信心の欠片もなく、寺社仏閣の歴史的建造物のみにその価値を見いだしていた受験生がおったとさ。
ある日、こやつは祖父母より合格祈願のだるまを貰った。
だるまというものは、はじめは両目が白であり、目標の成就を願って先に片目を書き入れ、事を成したらもう片方の目を書き入れるものだそうな。
このだるまは受験当日も、両目が白のままであったという。
ある日、こやつは親戚より湯島天神のお守りを貰った。
お守りというものは、そのご利益を求め、鞄などにつけて肌見放さず持ち歩くものだそうな。
このお守りは受験当日も、受験会場から600kmほど離れた自宅に開封もされぬまま放置されていたという。
ある日、こやつは親に言われ、大阪天満宮へ祈願に出かけた。
天満宮というのは、学問の神たる菅原道真公を祀った社であり、学業成就を祈願するところだそうな。
こやつは1月9日、大阪天満宮で商売繁盛を祈願したという。
こやつは受験(数学)で無完という大失敗をした。
こやつは受験終了後、会場に程近い大崎八幡宮へと慌てて駆け込んだ。
そこで青地に白色の鳥がこう告げたという。
「受験してから神に祈っても意味がない」
後に、こやつは東北大学より不合格の通知を受けたという。
こやつは、過去を悔やみ、少しくらいは信仰心を持とうと改心した。
受験に挑むいとこのために、北野天満宮まで足をはこんだという。
そのいとこは無事、志望していた大学に合格したとさ。
めでたしめでたし。
ということで、命題「信じる者は救われる」について、上記のような対偶に関しての反例があり、対偶の「救われぬ者は信じぬ」が偽なので、命題「信じる者は救われる」も偽である。
こやつみたいな信心の欠片もないような受験生も、信心深い受験生も、平等に合否判定されるので、頑張ってください。では。
「路面電車の」不正乗車の罰が少なすぎる話。
諸外国では、トラム・路面電車を中心に運賃収受の方式として中心に信用乗車方式が導入されている。
信用乗車方式とは「公共交通機関を利用する際、乗客が乗車券を自己管理することで駅員や乗務員による運賃の収受や乗車券の改札を省略する方式」(wikipedia「信用乗車方式」より)であり、人件費の削減や、係員による改札がないため、すべての扉で乗降でき、乗降にかかる時間を短縮できるなど、多くのメリットがある。
しかし、日本の路面電車ではほとんど普及していない。
信用乗車方式の最大のデメリットである、不正乗車への対処が難しいからだ。
広島電鉄(広島市内を走る路面電車)では実験的に信用乗車方式を導入したが、不正乗車が多く発生し、対応に苦慮する事態となっている。
なぜ不正乗車が起こるのか。
この原因として、罰金の額が少ないことがよく挙げられる。
鉄道運輸規程第19条第1項
「有効ノ乗車券ヲ所持セズシテ乗車シ又ハ乗車券ノ検査ヲ拒ミ若ハ取集ノ際之ヲ渡サザル者ニ対シ鉄道ハ其ノ旅客ガ乗車シタル区間ニ対スル相当運賃及其ノ二倍以内ノ増運賃ヲ請求スルコトヲ得」
及び
軌道運輸規程第8条第2項
「無効ノ乗車券ヲ以テ乗車シ又ハ乗車券ノ検査ヲ拒ミ若ハ取集ノ際之ヲ渡サザル者ニ対シ軌道ハ相当運賃及其ノ二倍以内ノ増運賃ヲ請求スルコトヲ得」
のために、鉄道会社は最大で「正規運賃+増運賃(正規運賃の2倍まで)」つまり、正規運賃の3倍までしか運賃を収受できない。
欧米での罰金額が運賃の20~30倍であることを考えれば、非常に少ない。
よって、この差のせいで信用乗車方式が普及しない。
ここまでが、よく言われる話である。
しかし、本当にそうなのであろうか。
日本で不正乗車が発覚した場合に課されるこの増運賃は、あくまでもその鉄道会社と不正乗車者の間で行われる民事的な賠償行為である。
しかし、不正乗車は法令違反であるから刑事上の責任も問われることとなる。
鉄道営業法第29条第1項
「鉄道係員ノ許諾ヲ受ケスシテ左ノ所為ヲ為シタル者ハ五十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス」
鉄道営業法第29条第1項第1号
「有効ノ乗車券ナクシテ乗車シタルトキ」
となっている。
よって、上記の民事の賠償に加え、刑事罰として罰金が課され、前科が付くのである。
(なお罰金額については罰金等臨時措置法により上限が二万円に引き上げられている)
金額的には決して大きい額ではないが、前科がつくことの社会的デメリットを考えれば、不正乗車の罰として適当ではないだろうか。
しかし、ここに大きな法の欠陥がある。
上記の法律は「鉄道営業法」であり、「鉄道法」に基づいて運行される「鉄道」にのみ適応される法律である。
つまり、「鉄道営業法」は「軌道法」に基づいて運行される路面電車には適応されない。
そして、「軌道」には「鉄道営業法」の対になる刑事罰を定めた法令が存在しない。
よって、不正乗車しても基本的に民事上の責任だけ負えばよいのである。
(例外あり、追記に記載)路面電車の運賃の3倍などたかが知れた額だからリスクが低すぎる…。
―――――――――――――――――――――――――――――
信用乗車方式は、正しく機能すれば、利用者にも会社にもメリットをもたらす素晴らしい制度である。
LRTなど、路面電車に対する見方が変わってきている今、国にはぜひとも「軌道」の法律の見直しをしてほしいところである。
―――――――――――――――――――――――――――――
【2020/06/25 19:30追記】「例外」について
ここでは軌道では「不正乗車しても基本的に民事上の責任だけ負えばよいのである。」とした。というのも、鉄道営業法のように「不正乗車」に焦点を置いた罰則規定を持つ法律が存在しないからである。
しかし近年、不正乗車の取り締まりにおいて
軽犯罪法第1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
軽犯罪法第1条第32号
入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者
に、基づいて摘発された例がある。
(有効な乗車券を持たずに乗車=入ることを禁じられた場所に侵入、という解釈)
こちらは条文をみてもわかる通り、「鉄道」「軌道」の区別なく適応され得る。
そのため、「軌道」での不正乗車であっても、刑事罰を受ける可能性は十分にある。
(ただし刑の上限が罰金(2万円以下)から科料(1万円未満)と、軽くはなるが。)
時刻表と路線愛称の話。
2020年6月13日、Twitterのトレンドに「JR京都線」が現れた。
JR東海の「東海道線」呼びに対する議論が起こったからである。
そこで、暇だったので、現状の路線名表記について、JR各社のHP等を漁っていたところ、とある問題に気が付いた。
それは、時刻表が実体を表していない問題である。
なお、ここでいう時刻表とはJRグループの編集する「JR時刻表」や、JTBの編集する「JTB時刻表」などの、駅や書店においてある大きい時刻表のことである。
その現場の1つとして、新大阪駅7・8番線がある。
JR西日本は、新大阪駅において、7・8番線を走る大阪・尼崎方面行電車を「JR神戸線・JR宝塚線」と案内している。
JR西日本の「おでかけねっと」の新大阪駅の案内 (https://www.jr-odekake.net/eki/premises.php?id=06101555)においても、同様の表記が確認できる
では、全国で広く設置・販売されている時刻表ではどうだろうか。
左がJTB時刻表(2020年3月号)、右がJR時刻表(2014年11月号)の新大阪駅のりば案内である。JR時刻表は家に古いのしかなかった…
どちらとも、大阪方面に向かう電車について、「東海道本線(JR京都線)」と表記している。なんと実態に即していない名前が、全国に発信されているのである。
(そりゃこんなんじゃJR東海もとりあえず間違いではない「東海道線」呼びするよな…。)
なぜこうなるのであろうか。
理由として考えられるのが、路線愛称と路線名の機能の違いと、それに起因する時刻表との相性である。
路線愛称は「どこに行くか」をわかりやすくするために設定される。そのため、一路線に複数の路線愛称がある場合、上下線で路線愛称が変わる駅が異なることがある。
一例として、尼崎新大阪間を見てみると、尼崎・大阪・新大阪の利用者の多い駅で利便性を向上させるためであろう、上りの京都方面行き列車は尼崎から「JR京都線」の案内を行うが、下りの神戸方面行き列車は新大阪から「JR神戸線」の案内を行う。
一方、路線名は「区間」の呼び名である。「区間」によって定められるので、起終点が決まっており、路線名が変わるタイミングが上下線で異なることはない。
では、時刻表に記載するうえで相性がよいのはどちらか。
当然、路線名である。時刻表はページの制約上、区間を分割して表記しなければならない。区切りがはっきりしている路線名は非常に都合がよい。
一方、上下線で区切りが異なる路線愛称を使用すると
・ページを分割する場合、上下で別の駅で分割するのか
・相性の境界が上下線で異なる場合、どうやって表記するのか
という問題が発生する。
また、ほとんどの時刻表利用者は「駅名」から目的のページをたどることが多いため、たとえ正式名称がほぼ死語になっている路線であっても、正式名称を使用することによる支障は発生しにくいだろう。
結果、どうしても時刻表では正式な路線名を採用することとなる。
が、一方で路線愛称が定着した路線では、それを併記した方が地元の人にとってわかりやすいのもまた事実である。
しかし、併記するには
・「正式な路線名(路線愛称1・路線愛称2)」という書き方では、他地域から利用者はその路線愛称がどう運用されているのか知ることができず、意味がない
・特に上下線が同一のページに書かれている場合、「上りは○○~××、下りは△△~××」と表記しようとすると、路線名の欄が足りない
・そもそも、そう書いたところで他地域の利用者は「つまりどういうこと?」で終わる
という問題が考えられる。
この問題に注目して時刻表を見ると、全ての愛称について、上下線共通の「区間」「起終点」を設定して対応しているようだ。
JR京都線(京都―大阪)、JR神戸線(大阪―姫路)といった具合である。
こうすれば、最小限の情報量で、とりあえず欄に書き込める。
が、実態と乖離している問題の原因となっているのは言うまでもない。
尼崎新大阪間を見てみよう。
時刻表では、実際の案内のうち、最も「境界」の要素が強い大阪駅を「起終点」としたため、新大阪駅・尼崎駅・塚本駅において、案内の乖離が発生してしまっている。
そして、最初に挙げたような状態になっていると推測される。
では、どうすればよいか。
どうすればよいか、その道のプロである時刻表を編集する人が何十年も試行錯誤しているはずである。
そして、その結果がこれなのである。
釈然としないが、だからといって代替案も思いつかない。
やはり、現行の時刻表が最善なのであろう。
新入生に楽器をおすすめする話を書こうとした話。
※この話は2020年2月下旬ごろより構想を始めました。
4月。出会いの季節。
吹奏楽部に迷い込み入部し、何の楽器をしようかと悩む新入生が多くいる季節。
新しいことをしようと、楽器に興味を持つ人が多くなる季節。
そんな人たちのために、独自の視点から、おすすめ楽器を紹介しようと思います。
ということで、YesNoチャートを作りました。
(ごめんなさい、思いっきり部活に入部する前提です。楽器購入等、金銭面は考慮していないので、趣味として楽器を吹くことを考えているなど、楽器を所有する団体に所属しない場合は話が変わってきます。)
(橙:Yes、青:No)
何になったでしょうか。
以下解説。
A:やりたい楽器があるならそれをしましょう。
やりたいことをする。大事なことだと思います。もちろんそれに永遠にとらわれる必要はありませんが。
B:これといってやりたい楽器がないなら、いっそのこと流されてみましょう。
楽器人生全てをその楽器に捧げるか否かは、その楽器と付き合ってから考えればいいのです。愛着がわけば、その楽器に専念すればよし。進学等のタイミングで吹く楽器を替えるのもあり。
必要とされるため、指導者からの指導は多くなりがちです。一方で指導者側としては特に必要な奏者だからよく指導をするわけです。なので、難しい練習課題が課されることはあっても、できる範囲の課題が多く、無茶な課題が出ることはほぼありません。
流されるのも、案外面白いですよ。
C:木管楽器しましょう。たぶん。ごめんなさい。管轄外なのでそれ以上言うことはありません。
D:打楽器しましょう。
色々な楽器をすることになりますが、基本的に全て体に叩き込むことになるので、頭で覚えることは少ないです。パートの楽譜を読むのも簡単。
ソロ演奏に抵抗が薄いとなおよし。
リズム感はどのパートでも平等に必要。むしろリズム感を研ぎ澄ますことに専念できる打楽器パートは、リズム感に難があるかも、と思う人ほど、おすすめとも言えます。
ダブルリード楽器は上下両唇を使うからか、木管の他の楽器を吹く人より、金管楽器を吹く人のほうが吹けたりします。(体験談)
問題点として、リードをはじめ、維持費が他の楽器に比べ非常に高く(大雑把にいうとリードは他の楽器の10倍くらい)、金銭面について家族にしっかり説明し、了解を取り付けておかないと、後々大変なことになります。また、他に頼れる人がいないことが多く、普段の練習は1人でする、ということもしばしば。ぼっち耐性がある程度ないとつらいかも。このあたりは注意が必要です。
F:チューバしましょう。
大体どこでも新入生の確保に難儀しているので、めちゃくちゃ歓迎されます。
でも吹いたことがないので、詳しいことは書けないのだが。
G:ユーフォニアムしましょう。
悩んだらとりあえずユーフォが安牌。
まず、ユーフォの素晴らしいところは、なんでもできること。メロディもベースも対旋律もハーモニーもなんでもござれ。ピストン楽器なので見た目に反して高い機動性をも併せ持ちます。
そして、維持が容易&維持費が安価。これは金管楽器共通ではありますが。基本的に水抜きは専用のキーをいじって息を吹き込むor管を引っこ抜いてじゃばーで終わり。可動部も木管に比べ少ないので、オイルを塗る箇所も少ない。お風呂でじゃぶじゃぶ丸洗いも可能。
そして、他の金管楽器との持ち替えが容易なこと。マウスピースのサイズはチューバより小さく、トロンボーンと同じ、トランペットやホルンより小さい、といったところ。ユーフォのマウスピースが吹けるようになれば、異なるサイズの楽器でも、大概すぐ吹けるようになります。運指は基本的にトランペット、チューバ、ホルン(但し左手で操作)と共通。運指に困ることもなし。素晴らしい。
ユーフォしましょう、ユーフォ!
とまぁ、色々書きましたが、したい楽器が必ずできるわけではないのもまた事実。
色々な楽器をめぐってきた身としては、たとえその出会いが望んだものでなかったとしても、その出会いを大切にしてほしいな、と思います。
大丈夫。どの楽器も楽しいから。
―――――――――――――――――
という記事を上げるべく、2月下旬ごろから構想を練ってたわけですよ。
ところがどっこい、コロナウイルスの襲来で
3月になると、吹奏楽業界は自粛、中止、延期の嵐。
4月になっても新学期は始まらず。
5月には、全日本吹奏楽コンクールの中止が決定。
もう、記事を上げるタイミングを失ったわけですよ。えぇ。
没にするのも考えた。が、せっかく書いたし、当然今年も吹奏楽業界に突っ込んでいく入ってくる人たちがいるわけで、上げるタイミングを計りに計っていたわけです。
で、6月。
どうも、都市部含め学校が再開するらしい。
おおよそ部活ができる状況ではないところが多いだろうが、それでも幾分か状況が良くなっていることは間違いない。
なんか友人氏が楽しそうなブログあげてるし。
上げるなら今だろう、ということで上げたわけです。
誰のためになるかはわかりませんが、少しでも参考になれば、と思います。
2020/06/01
受験前日に君が代を歌い万歳と叫んだ話
(仙台駅前)
※これは実話であり、本人の記憶を元に構成しています。
約一年前、とある受験生が、仙台の地に降り立った。
オープンキャンパス(日帰り)に行った他は7年近く来ることのなかった仙台の地。
緊張と懐かしさと不安と期待と…
いろいろな感情が入り乱れていた。
電車が非常に混んでいた他は、特に何事も起きなかった。予約していたビジネスホテルにたどり着き、無事チェックインまで済ませることができた。部屋に入り、古文単語や英単語の確認をしているとすぐ夜になった。
ホテルのプランには朝食しか付いていなかったため、昼食と夕食は買い出し、または外に食べに行く必要があった。
初日はすぐ近くにあった某なんでも揃って素敵なお店で食料調達した。夕食を済ませ、風呂に入り、やり残しを片付けて、寝た。
翌朝、起きてすぐ身支度を整え、朝食を食べる。過去問を確認し、午前10時半頃、昼食の買い出しにいくことにした。
そして、ここで、かばんを見て気がついた。
財布がない。
さいわい受験票も、帰りの切符も、生徒証も別の場所に入れていた。また、別に2つ、1万円ずつ入った封筒をかばんに入れていた。そのため、直ちに受験に支障が出ることもなかった。
が、こんな状況で勉強が手に着くわけがない。
直前に財布を使用したのは前日の夕食の買い出しの時である。
某店に直ちに向かった。
が、店員からは一言。
「財布の落とし物はないです」
当然パニックである。
ものを買っている以上、某店舗で財布を使っているのは明白である。また、そのあと何も買っていないため、財布を使った場面は存在しなかった。
ひとまず、別封筒の1万円を崩し昼食を取り、ホテルにかえり部屋中をくまなく探す。ビジネスホテルの一室など狭いので、すぐ見終わった。
ない。
どこで落としたか見当が付かないようでは警察に行っても話が進まない。完全に途方に暮れた。
ここで何を思ったか、テレビをつけた。テレビでは天皇陛下御在位三十年記念式典が正に始まるところであった。
床にひざまずき、食い入るようにテレビを見つめた。
君が代を歌った。
陛下のお言葉をしっかり拝聴した。
万歳三唱をした。
気がつけば最後まで観ていた。
おおよそ、受験前日の受験生がするようなことではない。
きっと同じホテルに滞在していた他の受験生は、隣室より聞こえてくる君が代や万歳三唱に、ただただ恐怖を感じたことであろう。
しかし、当の本人の方はというと、360度回って落ち着いていた。(つまり、落ち着いたつもりであって落ち着いていないのだが。)
夕食を買いに行くのもかねて、もう一度某店に出向き、別の店員に聞き、何も情報が得られなければ諦めよう、という気になっていた。
尋ねると、「前日の夕シフトの人が財布を帰り際に交番に持って行ったよ。」との回答が。
どうやら、午前に聞いた店員は朝シフトの人だったために知らなかったようだ。
教えられた交番に行き、事情を説明するとすぐに財布は見つかった。
身分証として見せた生徒証から、受験生であることはすぐ割れ、激励もされた。
財布を取り戻し、夕食を食べ…
夕食の時間である。受験前日にもかかわらずまともに勉強していない。が、今更がっつり勉強する気も起きない。寝た。
翌日の国語と英語の試験は耐えた。
慢心した。
数学は合格目安のボーダーを安定して超えていたからだ。
翌々日の試験で、何もしなかった数学が壊滅したのは別の話。
教訓を要約すると…
・貴重品の管理ちゃんとしろ。
・お金は分散して入れとけ。
・余裕あると思う教科ほど慢心するな。
以上です。
二次試験、頑張ってください。
相鉄のJR乗り入れと私鉄21社乗る話。
2019年11月30日、相鉄線西谷~羽沢横浜国大~JR武蔵小杉が開業した。
相鉄悲願の東京都心直結、しかしまさかのデータイム30分に1本、ついでに埼京線の快速運転区間短縮等、いろいろと変化した。(もっとも関西民なので関係ないのだが。)
で、今回注目するのは
相鉄へのアクセス手段が増えたこと。
一筆書きでの攻略をルールとした「大手私鉄&準大手私鉄計21社全てのる旅」において、相鉄は大きな壁だった。
本数の少なさから普段使いには全く向いていない同線も、21社旅にとってはこの壁を破る貴重な短絡線である。
直通開始前、相鉄には他線と接続する駅が海老名・大和・湘南台・横浜しかなかった。
よって鉄道のみで攻略する場合、新横浜での新幹線接続を加味すると、大和~横浜間は乗車必須だった。
また、小田急に大和まで乗ることも必須となり、かなりの大回りを強いられていた。
直通開始により、ここを短縮することができるようになる。
新宿→西谷で比較しよう。
距離11.1km、所要時間17分短縮している。
では、実際にルートに組み込むとどうなるか。
羽沢横浜国大を経由する21社旅の関東圏ルートの一例として、
(前回と同じ)→中井→新宿→下北沢→渋谷→中目黒→恵比寿→(羽沢横浜国大経由)→西谷→横浜→京急東神奈川/東神奈川→新横浜
を考えた。
中井新横浜間の所要時間を比較する。
(仲木戸駅は現京急東神奈川駅)
17分早く新横浜に到達できた。
乗換回数が増えたからか、見た目の距離の無駄は減ったにもかかわらず、17分しか変わらなかった。
結局、今回の乗り入れ開始は21社乗り継ぎ旅に大きな影響を与える、というほどではなさそうだ。
21社旅のルートは、まだまだ検討の余地がある。
この記事を書いている間にも、前回の旅は「新横浜→豊橋→名古屋→新大阪」ルートよりも、「新横浜→名古屋→一宮→笠松→羽島→新大阪」ルートのほうが新大阪着が早かった(しかも30分超)ことが発覚して、落ち込んでいる。
暇潰しに21社旅、ルート立案だけでも楽しいので、ぜひいかがだろうか。
新たなルートを見つけた場合、ぜひとも教えていただきたい。
といっても、する人はいないと思うが。